シャングリラのウィキです



「心が滾る、魂が震える……! 生きるも死ぬも、俺には戦場ここしか有り得ないッ!」

「人の心など、始めからありはしなかった。生まれ落ちたときから獣だと、誰に教わるでもなく理解したとも。俺を人に留めていた父様はもういない。飼い慣らされようとも、手負いになろうとも、俺は獣として生きてゆく」


ゼイン・ラガ

性別女性
年齢21(外見は10〜12)
役職反逆軍の神器使い「智天使」→上流階級の貴族トゥーリ・クサントスの私兵

性格

 悪政と叛逆、渾沌の世に生まれるべくして生まれた気質の持ち主。善も悪もなく、闘争の中にのみ真の喜びを見出す。かつて反逆軍に加担していたのも「より楽しめるほう」を選んだ結果であり、その刃は易く翻る。
 道徳や倫理観に欠く一方、悪意もないため他者との共存は可能。魂が震え、滾るような戦場を常に求め、それを提供してくれる者に協力的。反逆軍時代も、最前線に出すことを条件に炊事洗濯や物資管理などの雑用に精を出している姿が見られた。
 闘争の喜びを何よりも優先するぶん、それ以外は等価値。大事にしないが、蔑ろにもしない。一宿一飯の恩義を重んじるほか、契約に対して誠実。報酬と労働は等価値こそ美徳であるとし、過剰な恩賞はあまり喜ばない。
 片腕を失い、二度と剣士たりえない身になってから、彼女の獣性はより強まっている。

容姿

 身長は137センチ。神器に適合した際に肉体を再編されたため、十年ほど若返った。淡い色彩の頭髪と琥珀色の隻眼。眼球を失った左目は縫合され、閉じきっている。背の半ばに届くほど伸びた髪は、騎兵帽の中に収められている。幼い柔肌は傷ひとつなく、陽の恵みを感じさせない白さ。
 帝都に来てからは軍服を纏うようになった。立襟で膝丈、ダブルコート式の上衣。
 右腕は失われたまま、義腕を繋ぐこともない。腕の通されない片袖は、頼りなく風に揺れるばかりである。
 神器を展開することで、白色に金装飾を誂えた鎧姿に変貌する。素顔はバイザーで隠され、幼い少女と女性の声が二重に重なったような奇妙な音程で発声する。

 以前は、男性と見まごうほど短く切られた頭髪と切れ長の瞳が印象的な、獰猛な獣を思わせる見目の成人女性だった。獣皮で誂えた古めかしい防具姿で、日に焼けた肌には常に生傷が絶えなかったという。

神器

聖鎧テ・デウム
 先代の所有者が聖櫃を再定義し、鎧の形を取らせることで戦闘に最適化された。
 白金の鎧に黄金の装飾を誂えた鎧の姿で顕現し、背に両翼の意匠を持つ。
 神器を身に纏う――どのような力にも破壊されない絶対性を防御に用いるということは、一見して万全の備えだが、鎧に傷はつかずとも「防御性の発揮」という形で使い手の体力と精神力を消耗させる。メタ的に言えばMP消費型タンク。いかに彼女が傷を負わずとも肉体が限界を迎えれば行動不能になり、神器の展開は解除される。
 なお、高い防御性それ自体は神器が共通して持つ性質であり、聖鎧の持つ性能のほんの一端である。

 聖櫃は神の叡智を収める不朽の箱。叡智を宿す権能を得た肉体もまた、聖なる約櫃の一部となる。それに伴い肉体が「最も無垢だったとき」に再編・固定され、擬似的な不老を獲得している。

真なる叡智ユダス・マカベウス
 智天使の御名のもと発現する真の力。紫の光を出力、形成して操ることができる。光は炎のように揺らめき、雷のように収束する、非物理的な光熱である。光の正体は可視化した神代の言語であり、今代の智恵では解読することができない。
 先代は光の壁を形成するだけでなく、屈折率の操作によって擬似的な光学迷彩を実現したが、ゼインは「放出」に特化する。応用が利かない代わりに火力に長ける。
 光に投槍または弓矢の形状を持たせることで命中精度を大幅に上げられるが、瞬発性に劣る。雷のように指定地点へ着弾させる、直接放射するなど形成工程を経ないものは即時性に優れる反面、燃費が悪い。

 光を攻撃手段として運用する都合上、物理攻撃を防ぐ手段を持たない。肉体の幼さも接近戦では不利に働くが、「顔が触れるほどの距離でなくては命を感じ取れない」という理由から、積極的に前線へ出ようとする。

備考

 一人称「俺」、二人称「貴公」。粗暴だが、武人らしい誠実さを垣間見せる言動をする。

 元傭兵。一時は貴族の傍流家系に護衛として雇われていたが、天恵を持つ当主が戦死したことで没落。食い扶持を失ってからは庶民と「一宿一飯の代償に労働力を提供」という契約を交わし、家々を転々としていた。労働は畑仕事や物資輸送の護衛が主だったが、時には親衛隊に差し出すため反逆軍を生捕りにしたり、庶民を虐げた上流貴族への復讐を代行することもあった。
 神器との出会いは今から半年前。親衛隊の襲撃を受け、焼け落ちた反逆軍の拠点へ物資を掠奪しにきた彼女は瓦礫の下から神器を見つけだした。直後に反逆軍の生存者と間違われ、親衛隊に襲われるが、神器を以てこれを撃退。
 天性の武勇を神器によって開花させた彼女は、反逆軍と親衛隊どちらにも属さず、両者を相手取った大立ち回りを演じる無頼漢として次第に存在を知らしめていく。
 だが、そんな日々は長くは続かなかった。反逆軍のある人物と一騎討ちの末、大敗を喫したのだ。完膚なきまでに打ちのめされ、片目を失った彼女は対敵に選択を迫られた。今ここで簒奪者として処刑されるかか、反逆軍のために戦って死ぬか――。
 かくして、彼女は反逆軍への参与を選んだ。死ぬのが恐ろしかったのではない。齢二十と少しの生涯といえど、あんなにも心躍る夜はなかったと彼女は語る。戦って死ぬのは本望だが、この世は喜びに満ちている。それを味わい尽くさずに死ぬのは勿体ない。いずれ反逆軍の目的を果たしたなら、他の神器使いや天恵使いと「愉しむ」ことも出来るだろう、というのが彼女の魂胆だった。

 傭兵となる前は、ありふれた貧民の一人だった。家族の思い出は記憶から薄れて久しいが、父の言葉だけは今も覚えている。「生まれる時代が違えばよかった」と、そうであったなら、お前を幸せにできたのにと。一度も口にはしなかったが彼女はずっと思っていた。
 否――私は生まれるべくして、この混沌の世に生まれたのだと。強者との闘争、命のやり取りこそが我が喜びなれば。
 後にも先にも、彼女が己の本性を偽ったのは父と過ごした間だけだった。道徳を欠いた心にも、孝心の一つはあったらしい。父が流行り病で命を落とすまでの十数年、彼女はありふれた素朴な娘として生きていた。
 その後は前述の通り、暴力に満ちた人生を歩んでいる。そんな彼女が今なお守り続けている父の教えが一つある。「一宿一飯の恩義には、命を救われたものと思って報いなさい」。これは一時の彼女の身の振り方にも大きく影響している。

 再編された肉体は「最も無垢だったとき」の姿――父が命を落とす寸前、今まで誰の生き死ににも感慨を持たなかった彼女が唯一「失いたくない」と願った瞬間のものである。

 また、体が若返るより以前、流れの傭兵をしていた頃は剣の名手として評判だった。神器を繰る高次の戦いに心を滾らせながらも、ラガは時に過去を懐かしむ。粗製の武具をまとい、欠けた剣を振るっていたあの日々を。

 イメージカラーはプラチナブロンズ。

募集

 数ヶ月前に神器の簒奪者として指名手配されていたラガを討ち倒した相手(〆/スレイ)
 ラガを神器使いまたは仲間として認めていなかった反逆軍(何名でも/スレイ)
 傭兵時代のラガを知る人物(何名でも/テンペスター、オリヴィエ・キーディス)
傭兵時代のゼインと何度も交戦し、剣を振るう彼女の好敵手だった人物(一名)

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