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「グレスター・フェニックスだ。聖女様から熾天使の神器を授かっている。四十過ぎのいい男を天使と思うのはキツいだろうが、慣れてくれ!」

「聖女様は常に他人の痛みを考え、寄り添い、その為に働いてきた方だ。あのアースにすら、恨みの一言も漏らさなかったらしい。彼女がそういう人間だからこそ、みんなが彼女についてきて、死んでしまった今ですら、こうして灯火が残っているんだと俺は思う。どうせなら、そういう国で俺は土をいじりたい」

「一人一人の心に、少しでも聖女様のような善性があれば良い、と俺は思っている。ああ、別に哲学とか信仰みたいな固いものでなくていいんだ。ただ、俺たちは何のために戦っているのか、そして、極悪人の不幸すら願えなかった彼女がどうして俺たちに武器を与えたのか。そのことは忘れるべきじゃない」

グレスター・フェニックス

性別
年齢43歳(享年)
役職反逆軍の神器使い(熾天使、先代)

性格

 おおらかで正義感の強い性格。村長の家に生まれたこともあってか、責任感も強く、父から村長としての仕事を少しずつ引き継ぐようになってからは、村のことを第一に考えるようになった一方で、国がいかに無理な要求をしているかを理解するようにもなっていき、不信感と敵愾心はますます強いものになっていった。熾天使の神器を授かった際も、自らが守らなければいけない村を最優先に考えて、反逆軍への加入もしばらくは見送っている。
 しかし、年々多くなる税金と賄賂によっていずれ村はひからびるという現実的な問題や、犯されても訴えひとつ出せない嫁入りの前の娘、立ち行かなくなって老母を捨てざるを得なくなった息子など、村長として村人たちの悲痛な叫びを聞き続け、ついに村人たちにも押される形で反逆を決断するなど、基本的には他人を優先して行動するきらいがある。
 聖女と直接の対面こそはしていないものの、その最後の言葉や在り方には深く感銘を受けており、彼女のような他人を慈しみ、優しい心を持った人間に国家の頂点に立ってほしいと思っている。また、彼女の影響で善性に目覚めた人間や、その死後ですら人としての正しさや善い在り方の為に、命すら擲って動く人々を目の当たりにしていることで、そうした善性の広がりや道徳的な正しさこそが真に国を平和にするとも信じている。
 もっとも単なる夢想家というだけではない。聖女が単なる博愛思想から脱し、命と引き換えに戦う手段を与えてくれたことを鑑みて、善良な人間を守るためであれば、どれほど絶望的な状況であろうと彼は戦いに赴く。

容姿

 彫りの深い顔立ちで、品の良い口ひげを蓄えた男。日に焼けた浅黒い肌に、がっしりとした体格の持ち主で、身長は179cm。髪の毛は癖があり、頬骨のあたりまで伸ばしている。男性的な落ち着きとたくましさを持っている一方で、瞳は大きくて丸っこく、少年じみた光が湛えられており、明るく気さくな印象を与える。
 普段衣は質素を越えて、粗末ともいうべきもので、穴の空いた服は縫製で塞いでいたりと、村長や熾天使の神器使いという立場をかんがみれば、もう少し良い服装が出来るだろうと思わされるものを着ている。服に無頓着という訳ではないのだが、ちょっと良い服を着たせいで、のちのち飢え死にする者が出るのではないか……とやや神経質に考えてしまっているようである。

天恵

神器

《熾天使の鎧》
 炎を象った意匠の重鎧とフルフェイスの兜。火炎を纏ったり、噴射できる。神器だけあって、この世ならざる金属で出来ているようで、ルビーやトパーズから作られているかのような輝きを放つ。
 頭のてっぺんからつま先までを厚い装甲で覆った重量級の鎧であり、同じく神器やそれに匹敵するレベルの天恵でなくては、傷一つつけることすら不可能。また攻撃を自動察知して炎を噴き出す機能があり、砲弾などの遠距離攻撃の類はそもそも鎧に辿り着く前に無力化される。
 装甲を変形させることで、剣や弓などの武器などを形成することも可能。背中の装甲に窪みを作り、炎を逆噴射することで直線的かつ短距離ではあるが、飛行を可能にしたり、車輪を形成してローラースケートのように装着し、相手を高速機動で引っ掻き回した上に轢殺するなどの戦闘方法も取れる。
 当然だが攻撃の為に武器を形成するほど防御力が低下するのはもちろんとして、水中では呼吸することが可能ではあるものの、炎が噴き出せず、それによる効果は一切期待出来なくなるなどの弱点はある。

装備

備考

 一人称は「俺」、二人称は「お前」、「あなた」など。イメージカラーは赤。カシヨ村の村長であり、先代の熾天使の神器使い。代々、村長を務めてきた富農の出身でこそあるが、グレスターが生まれた時にはフェニックス家どころか村自体が貧しくなっていく状況下にあり、皮肉にもそれが功を奏したのか、小作人や奴隷階級の同年代とも分け隔てなく接する好人物として成長する。
 そんな実直な性格のためか、若い頃は役人や国の無法に腹を立て、ちょっとしたいさかいを起こすこともあったが、父から村長としての仕事を引き継ぎ始めてからは、村の存続を第一として考えるようになった。自分が役人に反発する度に、父が多くはない蓄えを削り、賄賂を送って取り成してくれていたことなどを知って、父に対しては感謝や軽蔑の入り交じった複雑な感情を抱いていたものの、晩年は受け入れている。
 いつしか自分の父と同じく、村のために身を粉にして働きながらも、必要があれば役人に賄賂を握らせる日々を送るようになっており、それに忸怩たる思いを抱えていた頃に、聖女という人物を知るようになり、彼女の言葉や生き方に感銘を受けるようになる。
 熾天使の神器を授かった時は、立ち上がらなければ、という思いと、父と先祖から受け継いできた村を両天秤にかけて苦悩するが、彼の働きぶりをよく知っている村人たちから背中を押されて、反逆軍に加入。また、数代後には村がしゃぶりつくされるのを座して待つよりは、という現実的な理由もあった。村ぐるみで反逆軍に協力し、国家専売品を闇の流通で売りさばくなどして、資金集めなどにも奔走している。
 神器使いおよび指揮官としては防衛戦の達人で、圧倒的に不利な状況下であっても、援軍の到来まで持ちこたえたり、大勝を収めることは少なくとも、相手に戦略的な目標を達成させない、手堅い戦い方に定評があった。
 最後は撤退戦において殿軍を務め、戦死。数字の上では、反逆軍の戦死者は極めて少なかったが、「最小限の犠牲」はあまりに大きかったと、生き残ったメンバーは語る。

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