シャングリラのウィキです

「俺は村一番の英雄になる、なんて大見栄切って飛び出したのに……。
 はぁ……親父、おふくろ、今どうしてっかな……。俺の人生、こんなはずじゃなかったのにな……」

「天恵かあ。俺もそれがあればな、なんて思ったこと、一度や二度じゃないさ。
 けど天恵を持って親衛隊に入った人だって、似たようなことをどこかで思ってる。
 そう考えたら、今あるもの全部使って、行ける所まで行きたい、なんて風に思えてきてさ。そんなわけで無理だって言われ続けて、今まで頑張ってきたんだ」

「……信念とか、矜持とか、使命とか、世界とか。
 そんなののために死ぬなんて……莫迦のやることだ。
 恥も意地もかなぐりすてて『助けて』って言えばよかったんだ。言えば、誰かが助けてくれるかもしれないんだ。
 言えば……今頃また友達と、退屈な故郷の話することだって、幾らでも……」

「えと、俺なんかの言葉が何か役に立つか分かんないんだけど……多分、何とかなるよ。
 今、どんなヘヴィ・ウェザーが続いてたって、晴れる見通しが見えなくたって。
 そんな俺たちの不安なんて関係なしに、雲の上には青い空が広がってるんだ」

ウェイン・ローヴァー

性別男性
年齢21歳
役職反逆軍のメンバー

性格

 歪みという歪みを持たず、貧しくとも幸福な家庭で育った故の温厚な気質の人間。多くの戦士たちが宿命を負うとともにどこかへ置いてきてしまった、普通の感性を強く残した人物。
 基本的に大人しく、無駄な争いを嫌う一方で、英雄願望を併せ持ち、いつか大きなことを成し遂げたいと願う功名心を抱いている。正義感が強いという程でもないが、困っている人間のために積極的に動くことのできる行動力の持ち主でもある。
 総じて見栄っ張りな田舎育ちの青年。穏やかな雰囲気ながらも、胸に抱えた正義や夢のために努力を重ねる、少年のような青臭さを持つ人物である。
 鷹揚な人間だが悪意には敏感で、怒るとそこそこ口が悪くなったり毒を吐くことも多い(主に心の中で)。

 貧民には貧民の、富める者には富める者の苦悩があるため、今が苦しいなら今あるもので何とかすればいい、という考え方を持つ。
 これは元々が貧民の出であり、その上で不満はあっても幸福に生きることが出来ていた実体験から生まれたもの。政情がどうあれ、どんな悪逆非道が天を握っていようとも、そんなことは関係なしにささやかな幸せや営みは誰しも抱いている、と信じている。
 しかし実際の所、本人も意識してはいないが、『世の中なんとかなる』という根拠のない思い込み、或いは『世の中そうあるように出来てないといけない』という願いが根本に存在している。
 世の中皆がそんな幸福に暮らせていないことなど百も承知、ただ見ないふりをしているだけ。儘ならない世の中、せめて普通に過ごせば普通な幸せが手に入るような、そんな世であることを祈っているだけなのだ。

 そんな甘い考えが根にありながらも、生活力や適応力の面で言えばとても高い。
 田舎の貧民の厳しい現実を目にしながらも、それを苦とせず生きてきた図太さを持つ。

容姿

 身長176cm、職業上鍛えているのか引き締まった筋肉をしている。
 髪型は金色の短髪を逆立たせツンツンヘアーにしている。
 これは目指すアクセル・ディーコンへの願掛けのようなもので、彼の髪型を模しているためである。
 虹彩の色は空色。体格の割に童顔で、態度なども相まって年齢より幼く見える。

 青を基調とした警備隊員のタクティカルベストを愛用しており、背にはサイドハンドル付の特殊警棒を常に背負っている。
 とくに反逆軍入りして以降は貧しさ故に洗濯のペースが遅いため、殆どの時間をこのベストで過ごしている

天恵

神器

装備

 警備隊に支給された暴徒鎮圧用のトンファーバトン。

備考

 一人称は「俺」二人称は「あんた/おたく」
 イメージCVは櫻井孝宏。イメージカラーは群青色。イメージソングはWeatherReportの『A Remark You Made』。
 田舎の村で貧しいながらも穏やかな環境で育った、とりたてて大きな事件もなく生きていくことが出来た幸福な人間。
 元々は田舎の出の人間だったが、近隣の村に天恵によって英雄視された人間がいるためか、自分も親衛隊になって貧しい村の人々を助けられるようになりたいと望むようになる。
 とくに、天恵を持たずして親衛隊のエリートになり上がったアクセル・ディーコンの噂を聞いて以来、自分も努力することでいつかは親衛隊になれると信じ、鍛錬を続けていた。

 16歳になって警備隊……親衛隊らと異なる、一般法人などで雇われる警備業、半ばPCMのようなもの……の職を得、上京した彼は、地道に仕事を続けていくうちに親衛隊ともともに作戦行動をとるようになり、(現実問題としては到底不可能であろうが)少しずつ夢に向かって進んでいる実感を持っていた。
 彼が転落したのは現在から半年前。
 要人警護の任務で村から都心部へ移動する最中、反逆軍の襲撃に逢い、要人諸共人質として連行される。
 反逆軍は親衛隊らの反撃によって蹴散らされたが、その一時の間会話を交わした反逆軍の一兵士に情が移ったのか
『いくらテロリストでも、なにも見境なしに殺すことはない』という甘い考えからその反逆軍兵士を咄嗟にかばってしまう。
 意識を取り戻した後、彼は捕虜扱いとして反逆軍のアジトに連行されており、また壊れたラジオからは犯行の容疑者リストに加えられた自分の名前を聞くこととなったという。

 結果として国からは反逆軍の一員として扱われ、もはや行く宛てなく反逆軍に加わらざるを得なくなった。
 現在彼が身を寄せるのは、そうした転落があったからだ。

 要するに運悪く反逆軍に捕まり、更に運悪く国からも見捨てられた一般人である。
 際立って特筆するべき過去もなければ、出生に秘密を持つわけでもない、ささやかな功名心を持つ運の悪かっただけの青年である。
 結果として過酷な運命をたどることになってしまった、一般兵。ウェイン・ローヴァ―とは、そうした時代の混沌に飲まれた一般人だ。

 そのため所属する反逆軍にも良い印象はなく、元々貧民の出自を持つからか「そもそも反逆軍が何もしなければ平和なままだった」「反逆軍は貧しい人に恵みをくれた親衛隊の女の人を、聖女と祭り上げて盛り上がっているカルト教団の類」とさえ思っている。
 しかしそんな感情を表に出したり叛意を示せば今度こそ何処にも居場所がなくなるので渋々という体で従っている他、彼ら自身にも事情があるということは汲んで自発的に協力しているところがある。
 反感こそ持っているが人と人の繋がりは大切にしているようで、反逆軍の人間とは一個人としては友好関係を築けている様子。

 彼は未だに元の鞘に戻ることを夢見ているが、現状警備隊からは除名処分を受けており、親衛隊からも反逆軍の一人と見做されており、ほぼ絶望的な状態である。

人間関係

 反逆軍に所属する際の世話役、事実上の上司となった人物。運び屋フェアリーの仕事の簡単な手伝いをしている。
 彼女に対するスタンスとしては深くかかわり過ぎないことを意識している。世間話したり色々話したりはするが、それはあくまで寝食を共にする同僚という程度で、仕事上の仲という域を出ない。そのため人生に関わる話は、お互いが自分から話そうとしない限り触れない。
 お互いに反逆軍に対して距離を置いている身で、ウェイン個人としては……あのスタントマンばりのバイクアクションに付き合わされることがないのならば……このまま運び屋の仕事の方に転向したいとも考えている。
 

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