シャングリラのウィキです

「六百年にも及ぶ腐敗……それを超えるのは、この私、グライザ・ザーバスノットだ」
「魔女や神器が脅威なのではない。戦えば、塵芥のように殺される。同じように家族も殺される。それでも、戦おうとする民。それこそが一番の脅威だろう」
「あの男の首を取って、それから彼らはどうするつもりだ?どうやって、この疲弊した国を建て直し、諸外国と渡り合おうと言うのだ?」

グライザ・ザーバスノット

性別
年齢28歳
役職王族

性格

 冷静だが、苛烈な部分がある性格。国民の八割がまともに食事にもありつけない有様の政治体制に限界が来ていることを見抜いており、いずれ取って代わる為にクーデターを画策している。
 反逆軍に関しては、単に神器使いや天恵持ちが戦力として与していることよりも、非力な人間が命に代えても立ち上がっているという事実に驚きながらも好奇心を持っており、持たざる者の心理に純然たる興味がある。野心家としての彼女は、ゆくゆくは反逆軍も組み入れることも視野に入れて、クーデターを起こそうと考えている一方で、まともに政治をした事もない彼らが現在の体制に代わって、円滑に政治を行えるとも思っていないため、あくまで自身が中心となって後の政治を行うつもりでいる。
 王族でありながらも、血筋がなんだという思いが強い。天恵持ちが貧民からも生まれることや、王族であることの重圧に耐え切れずに、残虐になったり、荒淫に耽るなど、精神に異常を来す同族を見て、血筋は才覚や魂の質を保証するものではないと考えている。
 そんな心内はおくびにも出さず、表向きは毒にも薬にもならない王族であることに徹しており、賊徒の討伐や貴族の諍いへの仲裁などでそれなりの功績を上げたりしながらも、賄賂の類は断らずに受け取り、余暇があれば絵画や楽器の演奏に勤しんだり、オーケストラコンサートを催したりと、人並みに俗っぽいが無能ではない程度の人間を演じている。
 凡庸な王族という仮面を被り、その裏では冷徹な野心家という二面性を持つ人物であるが、さらにその内面はかなりの激情家。また、人をなかなか信用しない性格である為に、逆に一度信用した人間に対してはとことん入れ込んでしまうなど、本人でも自覚していない弱点がある。

容姿

 身長は171cmで、軍人らしい筋肉質な身体つきをしているものの、色素の薄い肌はどことなく貴種らしさも感じさせる。
 美形といって差し支えない顔立ちで、形の良い顎や鼻といった骨格が流麗な線を引いたように整っており、短い黄金色の頭髪がそれを縁取るように囲っている。眉は太く綺麗に伸びており、凛々しい印象を与えさせるものの、その真下にある蒼い瞳はどこか茫洋としており、平時であれば感情的なものを読み取ることは難しいかも知れない。
 必要があればドレスなども着るものの、本人はあまり好んではいないようで、自邸などではむしろ男性と同じようにズボンやシャツを着ており、その姿で対峙すれば男性と認識してしまう者もいるだろう。

天恵

≪ワン・ホット・ミニット≫
 自身の半径100m以内に、五感のいずれかを指定して奪う地雷を仕掛ける天恵。地雷は無作為に設置され、グライザが味方であると認識している対象が踏んだ場合には作動しない。位置を指定して設置することも可能だが、その際は事前に手で触る、目で注視する、棍棒で突くなど、設置する地点をしっかりと認識する必要がある。
 奪われた五感は三レス以上経過するか、グライザが距離を取ることによって回復するが、一時的に五感を奪われたことによる疲労感や心神喪失からの回復は受け手の個体差がある。

神器

装備

≪ザ・タワー≫
 長大な長柄棍棒。棍の部分は階層のような凹凸があり、グライザの息子が「塔みたいだ」と驚いていたので、そのまま彼から拝借して上記のように名付けた。
 特殊な金属で合成されており、鎧一つを叩き潰しても欠けるどころか、傷一つつきはしない頑健さを誇る。並の人間では持ち上げることすら困難な重量武器だがグライザは持ち前の膂力で軽々と振り回してみせる。

備考

 一人称「私」、二人称「お前」「貴殿」「貴様」など。ザーバスノット王家に連なる王族の一人で、国の東南の所領がある。父母は健在で、六歳になる息子が一人いる。夫とは離縁。
 領地はそれなりに広くはあるものの、非友好的な隣国と接しており、軍を多く抱える必要があることから、農業が基本的な産業になっている。諸外国に対する認識もこうした土地を受け持っているゆえに敏感になった。
 聖女(魔女)の処刑の際にはその場に居合わせているが、聖女そのものよりは彼女に惹かれる人間の心理というものに注視しており、それもまた為政者として宗教をどう扱えば良いかという面で興味を惹かれている。ちなみにグライザ自身は聖女の徹底的な善性は理解できておらず、民衆の心理と同じく興味深い事柄の一つとして捉えている。
 玉座を簒奪することを十年以上前から計画しており、反逆軍に神器が備わって、人心が離れたことが決定的になってからも慎重な姿勢は崩していない。現体制を破壊する為に必要な人材と自分の治世に必要な人材を見極めることも兼ねて、彼らとほどほどに戦いながら、飛躍する時期を見計らっている。
 その他についても徹底しており、政事と軍事両面に才能を持っておきながら、そこそこの功績を上げ続け、影響力を保ちながらも決して睨まれない程度の地位を築いてきた。
 元夫との結婚は子供を生んで、落ち着いているという形を取りたかったがゆえだったが、特に愛情はないつもりだったのだが、他の女と姦通されたことを知り、自分でも驚くような怒りを覚えて、半殺しにした末に離縁した。
 そんな夫との間に生まれた息子にどう接して良いか分からず、養育は基本的に父母に委ねさせているなど、為政者や軍人としての才能とは裏腹に不器用な一面もあり、そもそも息子を愛しているのかどうかもよくは分かっていない。イメージカラーは青。

人間関係

 直属の親衛隊員。軍人として行動することもあるグライザの副官であり、グライザはその能力と人柄を深く信頼している。
 グライザの元にカノンが配属されたのは、六年ほど前に遡る。当時、グライザは夫の浮気を原因とする人間不信を抱えていた為、打ち解けるのに時間はかかったものの、次第に心を通わせるようになり、物語開始時点では現在の政治に対する本音を語り合うほどの仲になっている。
 表向きは凡庸な王族を演じている自身の為に、存分に戦働きをさせてやれなかったり、それどころか村の焼き討ちのような虐殺に参加させてしまったことに忸怩たる思いがあり、そうした悔しさもグライザの謀反に対する原動力になっているものと思われる。
 仮面舞踏会の後に、グライザはついに政治に対する不満のみならず、自らが国を立て直すという野望を彼女に語っている。

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