シャングリラのウィキです

「君たちはご飯を食べる時にわざわざ犠牲になった食材たちのことを思うのかい? ゛あぁ豚さん、僕のために死んでくれてありがとう" と? 野菜を食べる時、農薬を浴びて息絶える害虫の気持ちを考えるのかい? 食事はそうではないだろう? 目で楽しみ匂いを楽しみ音で楽しみ、食感を楽しみ味を楽しむ……食事は楽しい。そこに倫理や道徳を挟むのは、野暮なことだとは思わないかい?」

「飢えた人間は何でもする……道端に投げ捨てた残飯にも犬のように食らいつくし、泥水だって美味そうに啜る……生涯を共にした伴侶を、腹を痛めて産んだ我が子を、『生きたい』というエゴで糞尿がまだ詰まっているその腸にも齧り付く……罪悪感に圧し潰されながらそれでも生にしがみつくあの瞬間は、なんとも言い難い至福だ」

「なぜ村を焼くかって? 人は帰る場所があればこそ人であり続ける。過去を振り返るからこそ前へと進める。だから『燃やさせるんだ、自分たちの手で』。一軒一軒漏れの無いように、丁寧に丁寧に自分の家に火を付けさせる。喪失感から溢れ出る香ばしい匂いと、無力感のスパイスが合わさっていくらでも食べられる」

「私はみんなが大好きだよ……飢餓と恐怖に苛まれた庶民の素朴でジャンキーな感情も、嫉妬と暴力と奸計を混ぜ込んだ上流貴族の複雑で奥深い感情も、罪悪感と良心の呵責と命令に板挟みになりながらも懸命に人の道を踏み外していく親衛隊の真っすぐで切れ味のある感情も、復讐と怨嗟をふんだんに盛り込んだ反逆軍のスパイシーな感情も、最も近くにある危険を前に、各々の味を引き出す王族の慎み深い感情も……どれもこれも全てが美味い! 不味いものが一つもない! だから私は、君たちが大好きだよ!」

「今まで一番美味かったのは、『天恵持ち』の少女を引き取る時に母親が抵抗したんだ。母子家庭だった、たった一人の家族を手放したくなかったんだろうな。だから娘の目の前で歯を抜き取り、空いた歯茎に熱した針金を突き刺した。「我慢すれば、娘を解放してやってもいい」そういったら思いのほか耐えてね。激痛に喘ぐ母親の情と喉が引き千切れんばかりに泣き叫ぶ娘の情が口の中で刺激的に混ざりあって……事切れる寸前、母親は娘になんていったと思う?

「お前なんか産むんじゃなかった!」

 結局娘の方も舌を噛み切って自ら命を絶ったのだけれど。あの喉越しと口どけの余韻は後にも先にも味わったことがないなぁ……もう一度、食べてみたいものだ」

「食事をするのに、正義も悪もあるものか。仮に麦が口を聞いたら、貴様ら皆「麦殺し!」と罵声を浴びているところだ」


「あのクソ女がぁ!!! 最期の最期までゴミのような感情を私に向けてきやがって!!! 憐れみ? 同情!? 吐瀉物に糞便をディップしたような腐敗臭のする生ゴミだ!! ……ふ、フフフフ。神に抱きしめられて逃げ切ったと思いやがって……必ずやあの忌々しい虹色の髪の毛を掴んで神の元より引き剥がし、犯し殺してその死体をまた犯してやる……フハハハハ、神の感情はぁ……如何な味だろうなぁ」

名前:アース・ザーバスノット
読み仮名:
性別男性
年齢外見年齢20代半ば(実年齢600歳オーバー)
役職陛下

性格

物腰の柔らかな語り口、紳士的な態度、暖かく朗らかな笑顔など第一印象は『育ちのいい上流貴族の好青年』をほぼすべての人間に与えることが出来る。しかし内実は生粋のサディストでありエゴイズムの極み。他人は常に『食材』『玩具』『道具』以外の認識は無く、その命の重さすら考えたことはない。常に自身の食欲を満たすこと以外考えておらず、その過程で何人死んでも意に介さず、美味しくいただくためならば全国民を不幸にすることも厭わない。後述の天恵により他人のネガティブな感情を好ましく思う一方、ポジティブな感情や好意を向けられると途端に拒絶反応を示す。性格の悪さはまさしく悪魔的であり、いかに他人を悪意で染め上げるか、絶望の底に叩き落とすかを常に考えている。他人の心理を読み切り自分の有利な位置を確保するあたり、食欲だけの無能とは違う。感情表現が乏しく薄ら笑いを浮かべているが、あの日処刑された『彼女』のこととなると人が変わったかのように激昂し下品な言葉遣いになる。それほどまで『彼女』を篭絡および一切のネガティブな感情を引き出せなかったことが、彼の中で深く突き刺さっているようだ。

容姿

身長181cm体重81kg。白磁の肌は若さゆえの血気からか薄っすらと赤みを帯び、金糸を思わせる明るいブロンズの髪は無造作に切られているがそれでもその魅力を陰らせることはできない。碧眼の眼にはどこか人間とは違う、ナニか別の存在を思わせる光を宿し、視線を合わせた者に何とも言えない感情を彷彿とさせる。喜怒哀楽の感情表現に乏しく、常にアルカイックスマイルを絶やさない。そこに人間離れした美しさを見出す者もいれば、化生の類を想起させる不気味さを感じる者もいる。
他人と会うときは王家当主に相応しい豪華絢爛な衣装を身に纏うが、プライベートの時間は常にシャツとズボンというラフな格好を好んでいる。本人曰く「服に求めるのは効率的に裸を隠すための機能であり、威厳や威光を身に着けるためではない」

天恵

《他人の不幸は蜜の味 ──ネガティブ・イーター──》
他人のネガティブな感情(不安・恐怖・憎悪・嫉妬・憤怒・悲哀・喪失感等々)を糧として取り込み力として発動する天恵。喰らった分だけその力は増していき超人的な身体能力、悪魔的な頭脳、老化現象すら封じ込める生命力など神憑り的な能力を発揮する。しかしその副作用として他人の負の感情をそのまま背負いことになるため並みの精神力ではたちまち発狂し、まともに扱うことが出来ない。5000年にもなる『王国』の歴史の中でこの『天恵持ち』は度々生まれ落ち、そのたびに甚大な被害を齎してきた。『悪魔憑き』『人災』『天罰』とも呼ばれ、御伽噺の題材にもなり、地方の村では素行の悪い子供を叱る時に『悪魔憑きが攫いにくるよ』と脅すほど。
 数世紀にも渡り溜め込んだ不浄をあらゆるものに変化させることが出来る。アースはよく分身体を作り出し、五感を共有して国中で『食事』をしている。好んで使うのは三本足の鴉と黒い毛に覆われた二股の狼。そして最近では長い黒髪に喪服を身に着けた、異様に白い肌を持つ不気味な女性を作り出している。よく見るとその女性はあの処刑された『彼女』にも似ているが、生気の無い幽鬼のような女をまじまじと見る者は無い。生み出す数に特別限りは無いが、戦闘や複雑な会話などをするときは一人に力が集中する。戦闘力に関しても本体の何十分の1レベルであるが、それでも陛下直属の親衛隊に肉薄するレベルの脅威は持つ。

天恵の応用で武器を作り出す。黒い魔剣がお気に入り

備考

一人称「私」二人称「貴様」「○○(呼び捨て)」イメージカラーは白。イメージCVは石田彰。
先代国王である父親の代から、この国の腐敗は始まっていた。王の器ではない矮小な男が、権力・財力・暴力を手にしてしまったら。答えは火を見るより明らかだった。己の欲望のために国を動かし、弱気を挫き強きを助ける。反対する者は全て処刑し、称賛する者には湯水のように金を与えた。そんな廃国の最中、正妻でも側室でもない、スナック感覚で父が抱いたメイドの腹から七色の光を帯びた『悪魔憑き』が生まれる。『王族の血を引く天恵持ち』すぐさま子供は王室へ取り上げられ、実母であるメイドは適当に処刑された。その子は『正妻の子供』と世間では認知されているが、そもそも正妻は子供ができない体質であり体のいい乳母として宛がわれているだけだった。経産婦でなければ乳も出ず、腹を痛めてもいない卑しき庶民の赤子を抱きながら、正妻の女が募った憎悪は筆舌に尽くせない。撫でるべき両手を赤子の首にかけ、慈しみを発するべき声は呪詛へと変わる。ただひたすらに目の前の幼子に愛ではなく憎しみを注いだ。母乳も飲まぬ忌子が死なずに5歳を迎えるころ、その正妻は首を括った。時を同じくして、次期正統後継者である兄たちが次々と不審死を遂げる奇怪な事件が相次いだ。さらには『悪王』の異名が付いていた父親が犯した国家的犯罪が暴露され処刑される事件が起きる。貴族や王族の処刑には苦しまず速やかに死が訪れるギロチンを採用していたが、それだけでは怒り狂った国民は抑えきれず最終的に庶民による石打の刑というあまりに原始じみた刑の執行により、アースに国の政権が委ねられた。若干16歳。しかしその笑みに隠されたおぞましき欲望を、誰一人見破ることは出来なかった。
 それは『政治』とは呼べなかった。多くの庶民を飢えさせた。持たざる者が持つ者を襲うようになり、村同士の繋がりを憎悪と死への恐怖で形成した。都市部に金と技術を集中させた。技術的に優れた者には褒賞を、未だに前時代的発想と行動しかしない者には懲罰を。これにより貴族間に強い競争心を生み出し文化レベルを底上げしたが、膨大な差別心と強大な劣等感、妬み嫉みを植え付ける。王族に至っても血族であるから優遇するのではなく、単純に自分より政治がわかっており、その手腕によりより長くより美味しくこの国を保ち続けるための『道具』として見ていない。この国は彼にとっての『食卓』であり、国民すべて『食材』なのである。

募集:
【この純粋悪に絶望の底に叩き落とされたいと志願する方はどの役職であれ随時募集中です】

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